整形外科の日常的な疾患と高いレベルのスポーツ選手の治療に対応します。
■ MEDICAL INFORMATION ■
よくある整形外科の診療所とは異なり、運動器エコーと運動器リハビリテーションを重視します
週末や祝日と整形外科の診療
当院は地域に根ざした一般的な整形外科疾患の治療に加えて、栃木県のトップレベルの選手が集まるスポーツ整形の施設としての役割も大きくなっています。
後期高齢者の転倒予防・介護予防の治療でも運動器リハビリテーションを行い、安易に痛み止めの内服や湿布に頼るような治療にならないようにしています。後期高齢者では肝臓や腎臓の機能低下が起こっていることも多く、痛みの原因はレントゲン像でわかるような骨の変形によるものとは限らず、むしろ筋腱の骨への付着部であったり、筋腱や神経の動きの悪さであったりすることが多いというケースも少なくありません。これらの問題はレントゲン像では評価できませんので、エコー像を見て確認をしたり、理学療法士による評価が重要です。湿布を貼ろうが、痛み止めを内服しようが、あるいは電気治療などを行うだけでは、こういった症状は改善しないことが多いです。80代・90代でも内科的な問題や認知症がなければ、運動器リハビリテーションが有効と思われます。理学療法士が勤務している整形外科診療所は少ないので、当院までリハビリテーションを受けるために来院される高齢者も増えています。土曜・日曜・祝日の診療日を利用して、後期高齢者もリハビリテーションを積極的に受けていただきたいと思います。ご家族の車で来院しやすいのは週末や祝日ではないでしょうか。
来院される方を年代別に見ると10代が30%程度と最も多く、スポーツの大会が行われる時期には、日曜日を中心に10代が40%近くを占めることもあります。
10代の受診の理由としてはスポーツに関連した痛みやしびれが多く、パフォーマンスへの影響もあって来院されます。
日曜の診療では、週末の試合や長時間の練習のなかでケガをした選手が来院することもあります。
ボールが当たった、選手同士でぶつかった、転倒して手をついた、足を捻ったなど、たった今ケガをして来院ということもあります。
スポーツやレジャーのケガは週末や祝日に起こりやすいと考えています。ところが多くの医療機関は土曜の午後から日曜そして祝日は休診であり、ケガをしてもすぐに受診ができないことになります。救急病院は整形外科の医師がいないこともあり、夜間休日急患診療所はさらにX線撮影すらできない場合もあります。
そこで、当院は土曜の一部と日曜は午後1時からの診療を行うこととしております。
医療事務スタッフが少なくなっていることや、非常勤医師が確保できていないこともあり、現在土曜日については月1回程度、日曜については月に3回程度の診療となりますが、栃木県および比較的当院からの距離の近い茨城県西部のスポーツ選手あるいはスポーツ愛好者の受診の利便性を図りたいと考えております。
今後医療事務スタッフに余裕があり、非常勤医師が確保できれば、毎週土曜・日曜の診療を実施したいと考えております。
当院と野球の関わり
当院は栃木県における超音波検査を用いた野球肘検診の先駆けとして、中学硬式野球チームの検診を実施しておりました。その後、自治医大整形外科の先生方と協力して茨城県西部の学童野球の検診から本格的な活動を開始しました。第1回の検診には、日本の野球肘検診のパイオニアのひとりである徳島県の柏口新二先生のご指導を仰ぎ、西武ライオンズ球団のご協力もいただいて、筑西市の会場に菊池雄星投手もゲストでお招きしての検診を実施しました。
栃木県の中学校体育連盟(以下、中体連)と栃木県高等学校野球連盟(以下、栃高野連)が行う中学生の強化練習会での検診活動を開始し、さらに獨協医大整形外科の先生方も一緒にNPO法人野球医療サポート栃木の設立に至りました。
中学生の強化練習会を通じて、栃高野連の先生方にお世話になる機会が増えて、栃木県青少年野球団体協議会の設立の際に院長が幹事を拝命しました。
栃木県青少年野球団体協議会の野球手帳の作成にあたっては、院長が主幹となって編集作業を行いました。
現在は栃木の高校野球の各大会で、休診日を利用してメディカルサポートに入らせていただいており、院長は各大会で10試合程度、年間30~40試合程度のお手伝いをさせていただいています。当院の理学療法士も準々決勝~決勝の試合で県の理学療法士会の活動としてサポートに入ることがあります。さらに文星芸大附属高校硬式野球部は、練習グラウンドに理学療法士が出向いてサポート活動を行っており、2023年夏の甲子園出場の際は当院から理学療法士を2週間にわたり派遣しました。
中学硬式野球においては、真岡ボーイズでは理学療法士のグラウンドでのサポートや新人選手の肘検診を当院で実施しております。
学童野球の検診については、栃高野連とNPO法人野球医療サポート栃木の共催で行われる検診に参加するほか、栃木県立石橋高校で開催される下野市や上三川町の学童野球選手の練習会で同時開催される検診にもお手伝いさせていただいております。われわれの活動が21世紀枠で2023年春に甲子園に出場した選出理由の一部となりました。その後、栃木県臨床整形外科医会にも野球肘検診のサポートをいただくこととなり、院長は野球肘検診委員長を務めています。
新型コロナウイルスの影響により、全国の学会や研究会が中止となったりオンライン開催となったりしましたが、それ以前から野球に関連した勉強会あるいはスポーツ系の学会には積極的に参加し、診療所であっても保存治療はきちんと行えるよう、知識や技術を増やすように努めてまいりました。
全国のスポーツ整形外科の先生方や野球関係者の皆様と知り合う場面も増えてきました。
栃木県野球連盟や栃木ゴールデンブレーブスが設立する栃木県野球協議会にも院長は協力をさせていただいております。また、院長は「野球に携わる医師のネットワーク」にも参加させていただくこととなりました。
さらには、当院は栃木ゴールデンブレーブスのささやかなスポンサーでもあります。
栃木ゴールデンブレーブス、エイジェック硬式野球部、白鷗大学硬式野球部、白鷗大学軟式野球部、作新学院大学硬式野球部といった大学生・社会人・プロ選手も来院されます。そして、栃木県の女子野球にもサポートをさせていただくべく、エイジェック女子硬式野球部の選手の練習や試合を見学させていただくことや治療をさせていただくことがあります。
おかげさまで、他県で手術を受けた野球選手が栃木県で治療を継続する場合に、少しずつですが当院をご紹介いただけるようにもなってきました。
栃木県および茨城県西部の野球選手が活躍できるようサポートしていくことを当院のミッションのひとつとしています。
野球だけでなく多様なスポーツ種目の方に来院していただいています。一般的な整形外科の疾患も熱心に治療を行います。
野球以外のスポーツ競技を行う方、あるいはレジャーとしてのスポーツを楽しんでいる方も数多く来院されます。中学生や高校生が競技として行うことの多い種目の大多数が来院しますが、野球以外ではバレー、バスケット、サッカー、テニス、バドミントン、卓球といった球技あるいはラケット競技が多いようです。強く腕や脚を振ることで肩関節周囲や股関節周囲の痛みが生じやすいように思われます。また、ジャンプやダッシュを繰り返すスポーツは、膝、足関節(足首)、足を傷めて来院することが多いです。小学生~高校生では足首の「ねんざ」の例の多くは靱帯損傷あるいは裂離骨折を生じているのですが、当院ではバスケット、バレー、サッカーの順に多いというデータが出ています。
当院周辺はハンドボールや陸上の選手も多い地域性があるようで、これらの競技の選手も来院されることがあります。
雪がほとんど降らない地域ですので、ウインタースポーツは競技レベルで来院することは少ないですが、レジャーとしてのスノーボードやスケートでのケガ来院されることがあります。
中高年ではゴルフやテニス、自転車のロードレーサー、あるいは登山での痛みを訴える方が来院されます。これらは単なるケガではなく、筋力低下や関節の硬さ、軟骨の摩耗も関与していることがあります。また、ワールドカップやオリンピックの開催の影響もあってか、小学生のラグビー、サーフィン、ボルダリングを楽しむ方の来院も少しずつ増えてきた印象です。
18歳以上の女子のアスリートの方には、骨密度検診もおすすめしています。高いレベルで競技をするなかで、ホルモンバランスが崩れて生理が止まってしまうような場合には、将来の骨粗鬆症のリスクがあります。スポーツ引退後の生活も見据えて、骨密度を知っておくことも大切かと思われます。骨密度検診は自費となります。
スポーツ以外の慢性的な関節や腰の痛み、肩こりなどについても、運動器リハビリテーションを中心とした治療を行っています。高齢の方には介護予防や転倒予防についても配慮して、運動療法を行っており、80~90代でも運動器リハビリテーションを行っている方もいます。外出・旅行・趣味の時間を確保したいなど意欲のある方は理学療法士によるリハビリテーションを受けてみましょう。同じ病名でも、治療に対するモチベーションや生活スタイル、人生観などはひとりひとり異なります。以下に述べるように治療の方針は変わることがあります。
同じ診断名でも治療の方針はひとりひとり異なります。
スポーツによって生じた痛みの治療は、そのスポーツが競技なのかレジャーなのか、競技であればどのぐらいのレベルなのか、大会が近いのかどうか、その大会が人生の進路に関わるぐらいの重要度があるかどうか、身体が成長の過程にあるのかどうか、中高年のスポーツであれば内科疾患なども含めた全身の状態など、多くの要素を考慮する必要があります。
なるべく希望に応じた治療ができるようにスタッフで工夫をしますが、大事な大会前の場合は、痛みが強ければ注射を打ったり、くすりを飲んでもらったりして出場をするか考えていただくことがあります。シーズンのオフ期間のある野球や、まだレギュラーメンバーではない選手など、時間的に余裕のある場合は、なるべく運動療法を主体とした対応としています。
一方で手術が必要な問題が見つかれば、自治医大の関連病院をはじめとするスポーツ整形領域で信頼できる施設に紹介を行います。
一般整形外科の治療においては、その人の生活スタイル・生活習慣、活発に活動するかどうか、年齢や基礎疾患の有無などを考慮します。ある人は手術を希望するかもしれないですし、別な方は手術をしないという考えることもあるでしょう。高齢者では全身的な機能の問題で手術をしづらい・できない場合もあります。80代半ばでも自分で羽田空港まで電車で出かけて飛行機に乗って旅行に行くという人もいれば、50代でも車しか乗らず、栃木県の外には出ない、中には下野市・小山市・宇都宮市の一部だけの行動範囲という人もいて、筋力低下が進んでいても気づかない方々も少なくありません。
整形外科の診療のうち、手術をしないいわゆる保存治療は、レントゲンを中心とした画像と理学所見により診断され、痛み止めの内服薬と湿布、さらに電気刺激・超音波刺激・温熱療法・牽引などの物理療法による治療が、昭和の時代から行われてきました。画像診断の進歩により、MRIに加えて最近は超音波像が有用とされており、骨以外の組織の状況が把握できるようになり、超音波像では動的な評価も可能となっています。
当院では超音波像を用いた診断と超音波像を見ながらの注射を行い、また理学療法士による運動器リハビリテーションも重視して治療を行っています。
たとえば変形性膝関節症という診断がされると、関節内にヒアルロン酸という注射を行う整形外科の診療所は多いですが、それだけではなく、関節周囲の神経、筋肉、滑液包、靱帯なども超音波で観察していき、同じ病名でも注射の部位が異なることがあります。リハビリテーションも筋力や関節の可動域によって内容は異なります。転倒しやすいと判断すれば、足の筋肉や腹筋、殿部の筋肉など全身的に介入することがあります。
オーダーメイドの治療が必要となります。
痛くなる前の予防も重要です。
レジャーとしてのスポーツの場合は、痛みがあればそのスポーツを控えればいいのかもしれませんが、大会を控えた競技としてのスポーツの場合は、日程に余裕がない場合は治療が間に合わないことがあります。そこで、そもそも痛くならないように予防・手入れをしておくことが望ましいと考えられます。スポーツ競技を支障なく行える状態を作っておく、つまりコンディションを整えておくことが求められます。
スポーツの現場にトレーナーがいる状況があればよいのですが、高校までのスポーツの現場ではトレーナーが常駐していることはとても少ないと思われます。
治療よりも予防の流れをスポーツ整形外科の施設としては作っていきたいと思っております。
中高年の痛みについては、過去に同様の動作・作業をしても平気だったのに、その動作・作業をしたら痛くなってしまったというパターンも多いです。気持ちは若いけど、身体は疲れやすくなっている・弱くなっているという傾向が目立っていきます。初めてやる作業は慎重に考えても、経験のある動作はつい油断をしてしまう、経験が邪魔をしてしまい、痛むということがあります。
自分の身体の状態を知るということが大切ですが、スポーツジムや自治体主催の運動教室ではなかなか医学的な背景も含めた対応が困難と思われます。医師と理学療法士による評価が必要です。ご自身の状態を理解することで、痛みを予防できる可能性があります。治療だけでなく、予防につながるような提案も診療の中でお話できればと思います。
女性の場合は更年期の頃から骨密度が下がっていくのが一般的で、骨密度検診が健康診断では義務ではなく、希望者のみの検査となっていることから骨粗鬆症に気づかないことが多いです。自治体で行う検診は地域差があって、栃木県内でも19歳からOKの芳賀町、20歳からの栃木市と若いうちから検診のできる自治体もあれば、下野市・宇都宮市・小山市などは40歳からです。下野市と小山地区医師会下野支部の医療懇談会で指摘をしましたが、下野市としては現在のところ変更の予定はないとのコメントです。
自治体の骨密度検診はほとんどが踵の骨での超音波による検査であり、骨粗鬆症の診断として推奨される大腿骨頸部や腰椎で測定する骨密度とは異なります。時として、自治体の検診では正常とされたのに、整形外科で検査をすると治療が必要なレベルの骨粗鬆症ということもあります。40代以上では骨粗鬆症を疑う状況も多くなりますので、多くの方は健康保険で検査を行って、治療を開始できるようにしています。
骨折はときに手術が必要となり、特に大腿骨頸部骨折は医療費も高額のうえ、高齢の方では杖や車いすが必要になってしまうこともあります。痛みがないから大丈夫と思わずに、整形外科で定期的に骨密度を測定して骨折を予防しましょう。骨粗鬆症の診断がついて薬や注射による治療が始まると、年2-3回の骨密度検査や血液検査も行います。
スポーツ整形外科の治療のために遠くからも来院いただきありがとうございます。
日曜・祝日そして一部の土曜に診療を行うこともあり、また地元ではスポーツ選手の治療がうまく受けられないとお考えの方も多いことから、当院へは栃木県内各地や茨城県西部から来院をいただいています。県の北部では大田原市や矢板市さらには日光市、東部では茂木町や芳賀町から、県境を越えて南は茨城県西部の古河市や八千代町さらには下妻市ぐらいまでのエリアから来院される方が増えてきました。
平日は小学生~高校生の学校の終わった時間に来院が集中します。
日曜・祝日と診療を行う土曜をうまく活用いただくほか、痛みやしびれなどの症状が強い場合は、学校に行く前の平日午前中に受診することもご検討下さい。
早めに対応をすることが、早くスポーツ競技に復帰することにつながります。
理学療法士が野球の現場でサポートをすることもあります。
当院の理学療法士は、これまでにも高校や社会人の野球のサポートを練習グラウンドや大会の会場で行ってきました。
2023年には、夏の甲子園に出場した文星芸大附属高校硬式野球部のサポートで、当院の理学療法士が関西まで帯同しました。
グラウンドでの対応で予防できれば医療を受けずに済むかもしれませんし、選手とのコミュニケーションがとりやすく、互いに相手のことを理解しやすくなる利点もあります。
正式な業務委託としての派遣を希望される下野市・宇都宮市・小山市周辺の野球チームの方はご相談下さい。当院の診療時間内に準じた対応については検討させていただきます。
整形外科診療の特徴
日曜診療・祝日診療に加えて土曜診療の日も設定して日曜の混雑緩和を図ります。
当院は日曜・祝日に診療を行ってきましたが、2020年11月から月に2回程度の土曜診療を開始しました。日曜の診療が大変混雑することがあり、月曜~木曜と比べると初診での来院が多く、待ち時間が長くなる傾向がありました。
2020年からの新型コロナウイルス感染症の拡がりの際は、密集の予防が求められるようになりました。そこで土曜診療も導入しましたが、現在は医療事務スタッフや理学療法士の人数が不足しており、月に1回の土曜診療となっています。また、スタッフの休日の確保の必要もあり、日曜は月に1回の休診も設定しています。今後スタッフが増えれば、土曜は月に2~3回の診療、日曜は毎週の診療に戻すことも想定しております。
当院では仕事をしていただける医療事務スタッフや理学療法士を募集しております。
日曜に来院される方が必ずしも日曜にケガをして来院するわけではなく、週末にしか受診できない方が数週間前からの症状で来院するということもあります。
そこで、土曜の診療も部分的に取り入れて、日曜の診療の混雑を緩和できればと考えております。
予約制の導入も併用することで、待ち時間が短縮されています。
予約制を原則としていることから、土日の診療も予約外の受診でも待ち時間が極端に長いということはほとんどありません。国民健康保険を利用される方、後期高齢者医療をで受診される方は土日を回避する傾向がありますが、疾患の治療を土日だから受けないという考えはもったいないところです。土日が休みのご家族の車で受診しやすいはずの後期高齢者の皆さんは、どうぞ積極的に受診をして下さい。
病状の説明をきちんとするようにしています。
病状をなるべく丁寧にわかりやすく説明をするように心がけています。
運動器疾患は、その原因あるいは悪化の要因を湿布や内服薬あるいは電気治療などの物理療法などだけで取り除くことは困難で、多くの場合は生活様式の見直しや運動療法がとても大切な治療になります。今まで通りの生活の仕方ではよくならないことも多く、ご自身で病状への理解を深めてもらい、生活環境を改善させたり、積極的に運動器リハビリテーションや自主トレーニングを行っていただき、症状の悪化を防ぐことが大切です。
引き続き学会・研修会への出席を重視しています。
整形外科の学会の多くが金曜・土曜に行われます。
当院は学会に出席しやすいように金曜・土曜を休診としてまいりました。東京はもちろん北海道から沖縄まで、新幹線や飛行機を利用して全国の学会や研究会に参加してきました。実際に出かけることで、本を読んでもわからないことが理解できることも少なくありませんし、他の地域の先生と話ができる機会が増えて、全国の先生方とつながりができてきました。
ところが、2020年の新型コロナウイルス感染症の拡がりに伴い、従来のような会場での学会の開催が減少し、オンラインでの勉強会も増えました。オンラインの勉強会は土曜や日曜に行われることも多く、今後もオンラインでの開催が併用されることも想定されます。
このため、出張しての学会参加は以前よりも少なくなっており、土曜診療の日も設定するようになっています。
一方で、学会参加のために年に数回程度木曜や日曜の臨時休診をいただくこともありますし、院長が会議のために診療時間を短縮する場合もありますので、あらかじめご了承ください。
運動器の超音波像を診断・治療に活用しています。
運動器の超音波検査は、いまや診断のために欠かせないツールです。
レントゲン像で診断のできない筋肉・腱・靭帯などの損傷や、しびれや痛みに関連して末梢神経の評価、関節の腫れ、日常遭遇することの多い腫瘤の観察にきわめて有効です。ときには骨折の補助診断としても役立っています。
静止画像に加えて、動画での筋・腱の動きの観察や血流の評価も可能で、それらを診察室やリハビリ室でリアルタイムに観察できることが最大の利点です。運動器の超音波に関連した勉強会を通じて国内各地の先生方と交流できるようになり、新たな学びの連続です。
かつて院長は、足関節の靭帯損傷での超音波検査に関連し、当時の日本整形外科超音波研究会での研究報告で優秀論文賞もいただきましたが、もはやそのレベルでは相手にされないぐらい、運動器の超音波はどんどん進歩しています。
日常診療では、診断に加えて超音波像をみながら注射を行う場面が増えています。
痛みの原因となる部位を診断し、超音波像でそこへ注射針を誘導し、ハイドロリリースと呼ばれる生理食塩水を中心とした注射、ときには薬液も注射し、痛みがその場で軽減するか、動きが楽になるかを確認しています。整形外科で急激に進化している領域と言ってもよく、その進化の流れについていくのも大変です。リハビリ室で治療の対象とする部位の動きの観察を行うために、理学療法士も超音波診断装置を用いることがあります。リハビリ室と診察室の連携はとても重要といわれるようになりました。
リハビリ室で超音波を用いて観察を行った理学療法士から、院長に注射を打ってほしい部位の相談あるいは提案をされることがあります。注射のあとに痛みがすぐに消失あるいは軽減すれば、痛みの原因の確認になることもあります。
超音波診断装置のない整形外科は考えられない時代となっています。
ハイドロリリースは肩こりや腰痛にも用いることがあります。高齢者や中高年の勤労者はもちろん、夜勤のある工場関係・医療関係の仕事の方の夜勤明けに注射をすることがありますし、最近は大学受験を控えた高校3年生や、国家試験を控えた医療系の学生に運動器エコーを用いたハイドロリリース注射をすることがあります。
また、
運動器リハビリテーションを重視しています。
運動器としての骨・関節・筋・腱・靱帯・神経は、痛みなく動かすことができてはじめて機能を取り戻したことになります。「じっとしていれば痛みがない」ことと「痛みなく元のとおりに動かせる」ことは別の話です。くすりをのんでも注射をしても温めても、思いどおりに動かなければ生活の中で困ることが多くなります。
当院では運動療法のスペシャリストである理学療法士による運動器リハビリテーションを重視しています。1回あたり2単位40分の実施を原則としていますが、病状によっては1単位20分~3単位60分で対応をすることもあります。
手術治療が主となる大きな病院では、術後のリハビリテーションが優先され、保存治療としての運動器リハビリテーションは、実施しにくいと思われます。一方、無床の診療所で理学療法士が勤務している施設は少なく、温熱療法や牽引などの物理療法やマッサージなどが主となることも多いようです。理学療法士によるマンツーマンの運動療法を重視している当院へは、栃木県内と茨城県西部の広いエリアから来院をいただいています。
他の施設での手術後のリハビリテーションも受け入れています。
他病院で整形外科の手術を受けられた方の運動器リハビリテーションも当院で積極的に受け入れています。これまでにも人工関節や膝の靱帯再建手術後、肩の授動術後、骨折の手術後をはじめ、数多くの症例を受け入れてまいりました。
手術から150日間は運動器リハビリテーションを実施することが健康保険の規則で認められますが、実際には病院では外来通院のリハビリテーションを行えないことも多く、後方支援として外来のリハビリテーションを当院で行うことも可能です。
手術後のリハビリテーションの継続を希望される方はご相談ください。
他の都道府県で手術を受けて栃木へ転居してきた方のリハビリテーションの例もあります。大学進学やスポーツチームに入団するために栃木県あるいは茨城県西部へ転居してきた例、大学生が帰省先近くの病院で手術を受けた例、他県の有名な病院・有名な先生の手術の後に通院は栃木で行いたい例など、紹介されて来院された例もあります。リハビリテーション継続のためにご紹介をいただく場合は、担当された整形外科の先生と理学療法士の先生から診療情報提供書の作成をしていただくようお願いいたします。
予約診療を中心とさせていただきます。
2020年に新型コロナウイルス感染症が拡大してから、感染を心配するあまり、近所以外は外出をしなくなったり、受診を控えたりする方が見受けられます。
当院ではインフルエンザや発熱の方の治療を行わないことから、そういった症状での受診はなく、待合室での感染のリスクは少ないのですが、日曜日や平日の夕方には待合室が混雑する場合があり、「密」の状態の回避を目的として、予約制の診療を導入してまいります。
スポーツ系に特化して完全予約診療という施設もありますが、当院は地域医療を担うという役割もあり、ケガをした直後の方も診療をすることがあるため、当面の間は「原則として予約診療」という方向性で診療を行ってまいります。
スマートフォンやタブレットあるいはPCを用いて、ご自宅で予約と問診の入力をしていただき、予約時間が近づいたら来院していただくという形へ移行し、待合室の滞在時間が少しでも短縮できるよう努めてまいります。診察は予約のある方を優先させていただき、予約のない方は、緊急性のない場合は予約を入れて出直していただくか、午後6時30分以降の診察とさせていただきます。この場合は長めにお待ちいただくことがあるかもしれません。
また、予約制の導入に伴い、ひとりあたりの診察時間にも制限がでてくるため、何カ所も問題を抱えていても、1回で全ての診察が行えないことがありえます。これまでの傾向としては、火曜日や水曜日の午前11時台や午後3~4時台は混雑しないことが多かったのですが、予約診療の導入に伴い、空いていた時間帯へ誘導をすることがあります。予約制の導入に伴い、お手数をおかけいたします。また、機器の操作に不慣れな方には、ご迷惑になることもあるかと思いますが、感染予防と円滑な診療についての皆様のご理解とご協力に感謝いたします。
乳児股関節検診にも超音波を用います。(残念ながら下野市の股関節検診が2021年3月で終了しました)
下野市では乳児股関節検診を行っていたのですが、誠に残念ながら2021年3月末で終了してしまいました。
当院では、画像評価にGraf法による超音波検査も取り入れて、年間60-70名の検診を行ってまいりました。
大多数の乳児は正常であり、超音波像が正常であればX線撮影は行わずに済むメリットがありました。
X線撮影に至るケースは年に数名いるかどうかでした。
今後は、自由診療での乳児の股関節検診を希望であればご相談下さい。
また乳児検診で異常が疑われれば紹介をいただくようお願いいたします。この場合は健康保険の適応になります。
乳児股関節検診は通常の診療時間で行えますので、ネット予約の場合は「乳児の股関節の検診希望」と入力いただくと助かります。ただし、診療時間内の場合は、他の患者さんと一緒に待合室でお待ちいただく時間が発生します。もし、どうしても診療時間外での検査を希望される場合は、電話でお問い合わせください。その場合は午後2時30分からを行います。