2月は冷え込みが厳しい日もあって、2月10日のように「南岸低気圧」の通過の具合によっては、関東の平野部でも雪が降ります。

寒いと筋肉がこわばり、自宅内での起立の際に転倒しやすくなることが懸念され、夜間トイレに起きる高齢者が寝室で転倒骨折というケースも想定されます。

実はいちばん転倒するのは自宅内であり、道路よりも何倍も転びやすいとされています。

「運動をしている」という高齢の方もいらっしゃいますが、「何のための」運動かを明確にしておく必要があります。

毎週のようにグラウンドゴルフをやっているとか、施設に集まってみんなで体操をする時間を作るという方も多いです。

これは転倒骨折を防ぐ運動ではなく、リフレッシュであったり、閉じこもり予防であったりして、意味の違う運動のことが多いです。

病状はひとりひとり異なります。筋力も骨の変形も、神経の圧迫の具合も、生活も趣味も、食事も睡眠も、年齢も性別もそれぞれ異なるのに、みんなで同じ体操をしたところで、転倒予防にはなりにくいです。

病状を調べて、弱点を確認しそれに見合う体操をしなければ、やったつもりになってしまうだけです。

勉強と同じで、苦手分野を確認して、それに見合う問題を解かなければ成績が上がらないの同じで、「勉強したのに成績が上がらない」というのと、「運動したのに転んでしまう」ということになりかねません。

転倒予防の運動も、健康保険でリハビリテーションとして行える可能性があります。70代はもちろん、80代でもリハビリを行うことで外出がしやすくなることもあり、当院では80代だけでなく、90代でリハビリを行っている方もいます。

介護保険サービスを導入する前に、健康保険でのリハビリの可能性について相談にお越し下さい。

骨粗鬆症の検査をしていなければ、一緒に骨密度を調べて投薬の必要がないか確認もしましょう。