当院は、2014年に移転して薬師寺運動器クリニックと名称を変更してから、5月7日で10周年を迎えました。
運動器リハビリテーションや運動器エコーを用いた診療に取り組んでまいりました。あまりくすりを処方しないので、当院の隣には薬局がありません。
一般的な整形外科診療所がレントゲン撮影で「骨は異常ない」、ロキソニンや湿布、電気治療で「様子を見る」と言っているのと異なる治療のため、当院の治療を異質と感じる方からは厳しいコメントが投稿されることがありますが、「他の施設よりもきちんと診察をする」「くすりに頼らない」「他の施設では受けられない治療を行っている」ということで、多くの方に受診をいただいております。
むしろ予約がはいりにくいこともあって、ご迷惑をおかけすることもあります。今後は理学療法士の増員と非常勤医師の確保も念頭に診療体制の充実・拡充を検討してまいります。
リハビリテーションが受けられない地域からは、遠くても受診したいということ、これまでにも遠くは福島県や新潟県から定期的に通院いただいたこともあります。県内も那須塩原市、那須町、大田原市など県北から1時間以上かけて通院されることがあります。
病院は手術後の運動器リハビリテーションを限定的にしか行わず、外来では行わないケースもあります。
まだまだ理学療法士による運動器リハビリテーションを外来通院で受けられる施設が限られることから、当院を利用いただければ幸いです。
当院へ受診したことのある選手からはNPBのプロ野球へ進んだケースもでてきましたし、現在も野球について言えば、栃木県のトップレベルのチームから多く受診をいただいています。学童野球の頃から受診してきた選手が、社会人となって来院することもあります。
高齢化の進行とともに、介護認定の原因としての運動器疾患の治療・予防の重要性が高まっています。「かかりつけ医」としての内科の先生方は運動器疾患への造詣は深くありません。介護施設の職員の方々も、整形外科で勤務されたことはほとんどないものと思われ、運動器の機能低下は「高齢のため仕方がない」とされがちです。フレイル予防を協調されることも多いようですが、フレイルよりも軽度の機能低下であるロコモティブシンドロームの初期のうちに予防をすることが大切です。
引き続き、スポーツ整形と、運動器の地域医療を重視して、診療を行ってまいります。
今後とも薬師寺運動器クリニックをよろしくお願い申し上げます。